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白くま生態観察記

こんど上洛する白いくまもん。生態日記。

映画『素晴らしき哉、人生!』

フランク・キャプラ監督『素晴らしき哉、人生!』1946年。 いままでで、もっとも感動した作品である。 どうしようもなく、ラストで泣きつづけた。映画でこんなに泣いたのは、はじめてだった。 事実、アメリカ映画協会の感動した映画でトップに選ばれている。…

福永武彦『愛の試み』

福永武彦『愛の試み』(新潮文庫、1975年)。 池袋西口から立教大学にいたる道には、文庫本専門の書店がある。大地屋書店と言う。 個人でやっているから、「こういう本はありますか」と訊くと、すぐ答えが返ってくる。何回か通えば、馴染みとして顔を覚えて…

映画『秒速5センチメートル』

新海誠『秒速5センチメートル』2007年。 2017年3月17日深夜、テレ朝で新海誠監督『秒速5センチメートル』を放送していた。 高校時代に弟から薦められて以来、見る機会があると見てしまう。 欠点があった。かつての新海さんは、描きたい感情をそのまま描いて…

O・ヘンリー『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21篇』

O・ヘンリー(芹澤恵訳)『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21篇』(光文社[古典新訳文庫]、2007年)。 O・ヘンリーの短編集は、いろいろな版元から翻訳されている。また、青空文庫でも「最後の一葉」「賢者の贈り物」などを読むことができる(http://www.aozo…

ウィリアム・L・デアンドリア『ホッグ連続殺人事件』

ウィリアム・L・デアンドリア(真崎義博訳)『ホッグ連続殺人事件』(2005年、早川書房)。 【あらすじ・流れ】 ある町で、連続殺人事件が発生した。不可能としか思えない状況で、だれにも姿を見られずに完全犯罪を遂行していく。被害者はバラバラ。殺人を行…

吉本ばなな『キッチン』

吉本ばなな『キッチン』(角川書店、1998年) 大事な誰かをなくしたひとたちの短編集。3篇おさめられており、表題作は連作である。残るひとつは「ムーンライト・シャドウ」である。 初期の作品だということからわかるとおり、文章には拙さが見られる箇所もあ…

映画『ミッドナイト・イン・パリ』

『ミッドナイト・イン・パリ』 アカデミー賞脚本賞受賞。 わかりやすい流れ。いいアイデア、いいひねり方、いいオチのつけ方。 【あらすじ・流れ】 主人公のギルは、フランスに婚約者家族と旅行に来ていた。1920年代のフランスが最高だと思っていて、作家に…

映画『百円の恋』

『百円の恋』 日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。 前半はとにかくつらい。つらすぎて正直見ていられない。見ていられないと思った人は、1.5倍速でみることをお薦めする。ここを乗り越えれば、すごいものが見られる。 中盤からの疾走感はすごすぎる。 打ち込…

映画『(500)日のサマー』

『(500)日のサマー』 身の周りで謎の流行をみせた映画。 「なんで()がついてるのかな」と思いつつ、なかなか見る機会がなかった。「どうせ恋愛映画でしょ」と思って敬遠していた。 しかしそのわりには、「キュンキュンした!」系の感想は聞かなかった。…

ロバート・シルヴァーバーグ『夜の翼』

ロバート・シルヴァーバーグ(佐藤高子訳)『夜の翼』(早川書房、1977年)。 ヒューゴー賞、アポロ賞受賞。 作りこまれた世界観。始まりと終わりが、とてもうつくしい物語だった。 【あらすじ・流れ】 この作品は、第1部、第2部、第3部に分かれる。 第1部:…

江國香織『泳ぐのに、安全でも、適切でもありません』

江國香織『泳ぐのに、安全でも、適切でもありません』(集英社、2005年)。 山本周五郎賞受賞作。 さらさらと、こころにしみこんでくる短編集である。私の一人称で、切り取られた世界の断片。 「うんとお腹をすかせてきてね」「ジェーン」「犬小屋」が好みだ…

映画『ララランド』

ララランド 現在公開中の映画である。先日のアカデミー賞で、今年度最多受賞作品。 それに恥じぬ作品だった。 ※上映中の作品は書かないようにしようと思ったのですが、自分のためのメモなので書いてしまいます。それに呼応して、あらすじは最後にもっていき…

映画『眼下の敵』

眼下の敵 戦争映画が好きだ。 極限状態での人間を見るのは、快感である。 初めて見る、眼下の敵を前にして、どうするのか。 【あらすじ・流れ】 第二次世界大戦時、アメリカ水上艦とドイツ潜水艦の戦い 水上艦の艦長は、元民間人である。自分の商用船がUボー…

映画『ユージュアル・サスペクツ』

ユージュアル・サスペクツ 1995年アカデミー賞脚本賞。 叙述ミステリーを、映像で描くとこうなるのか!と素直な驚き。すごい。 【あらすじ・流れ】 謎の黒幕であるカイザー・ロゼが、キートンを殺すシーンから始まる。船が炎上する。 それを影から見ていた生…

映画『レインマン』

レインマン 1989年脚本賞。 すばらしい脚本。ゾクゾクする。 【見どころ】 主人公の欠点は何か。欠点を生んだ原因は何か。欠点を補う装置は何か。どう行動が変わるのか。お手本のような作品。 【あらすじ・流れ】 他人は自分のために利用するものと思ってい…

宮下奈都『羊と鋼の森』

宮下奈都『羊と鋼の森』(文芸春秋、2015年)。 2016年本屋大賞受賞。 大学4年、オーケストラをやっている友人に誘われて、はじめて生のクラシックに触れた。 プログラムが本棚にある。合計三冊。 あと1週間と少しで、もう一冊加わる。大学生最後は、クラ…

三秋縋「明日世界が終わるなら」

三秋縋さんのツイッターをたまに見る。 そのなかで記憶にあるのが、 「明日世界が終わるなら何をする?」と聞かれたときに、 「会いたい人に会いに行く」と答えるのではなくて、 「会いたい人の会いたい人は私じゃないかもしれないから、結局何もせずに過ご…

映画『危険な関係』

『危険な関係』 1989年脚色賞受賞。 ドロッドロの主導権争い。 【あらすじ・流れ】 18世紀フランス社交界。 メルトイユ伯爵夫人とバルモン子爵が服を整える。戦闘服である。 ふたりは、処女のセシルとトゥールベル夫人を堕とすことに決める。実行役バルモン…

三浦しをんさんの短編プチ指南

三浦しをんという名前を聞いたことのあるひとは、多いと思う。小説家である。 名前に聞き覚えがなくても、『舟を編む』という本の題名は聞いたことがあるだろう。この小説は、本屋大賞を受賞しており、映画化もされた。さいきんノイタミナでアニメ版も放送さ…

映画『草原の輝き』

『草原の輝き』 1961年脚本賞。 最高である。 【見どころ】 男と女を阻む真の敵対者はなにか。 【あらすじ・流れ】 滝をバックに、車のなかで男女が絡み合う構図でスタート。 しかし女性はキス以上に進展するのを拒む。男性はやりきれない想い。 女性が性交…

映画『アパートの鍵 貸します』

『アパートの鍵 貸します』 1961年のアカデミー賞で、脚本賞を取っている。これから脚本賞受賞作品を見ていくことに決めた。 こういう映画が見たかったんです。 【見どころ】 男性を主人公に進んでいくプロットと、女性を軸に進んでいく裏プロット。どこがど…

『裸足の季節』

『裸足の季節』 http://www.bitters.co.jp/hadashi/theater.html 『シン・ゴジラ』と『君の名は。』を見て、映画館で見るのと、家で借りて見るのではまったく違うなと実感した。 このふたつを機内で見た人は、損をしたといっていいだろう。最初だけは映画館…

北方謙三『水滸伝』

先輩からのおすすめ本。 北方さんの『試みの地平線』を読んでから、「北方兄さん」と呼ぶことにしている。『試みの地平線』は、人生相談を集めたものである。悩める男どもの横っ面を、北方兄さんが本音で張っていくさまには、はっとさせられる。 10代~20代…

箱田ほか『認知心理学』(有斐閣)

箱田裕司・都築誉史・川畑秀明・荻原滋『認知心理学』(有斐閣、2010年) 有斐閣New Liberal Arts Selection (http://www.yuhikaku.co.jp/books/series_search/50)の一冊。本棚にあればいろいろと便利だ。 このレーベルからは心理学分野の本がたくさん出て…