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白くま生態観察記

こんど上洛する白いくまもん。生態日記。

福永武彦『愛の試み』

福永武彦『愛の試み』(新潮文庫、1975年)。 池袋西口から立教大学にいたる道には、文庫本専門の書店がある。大地屋書店と言う。 個人でやっているから、「こういう本はありますか」と訊くと、すぐ答えが返ってくる。何回か通えば、馴染みとして顔を覚えて…

O・ヘンリー『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21篇』

O・ヘンリー(芹澤恵訳)『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21篇』(光文社[古典新訳文庫]、2007年)。 O・ヘンリーの短編集は、いろいろな版元から翻訳されている。また、青空文庫でも「最後の一葉」「賢者の贈り物」などを読むことができる(http://www.aozo…

ウィリアム・L・デアンドリア『ホッグ連続殺人事件』

ウィリアム・L・デアンドリア(真崎義博訳)『ホッグ連続殺人事件』(2005年、早川書房)。 【あらすじ・流れ】 ある町で、連続殺人事件が発生した。不可能としか思えない状況で、だれにも姿を見られずに完全犯罪を遂行していく。被害者はバラバラ。殺人を行…

吉本ばなな『キッチン』

吉本ばなな『キッチン』(角川書店、1998年) 大事な誰かをなくしたひとたちの短編集。3篇おさめられており、表題作は連作である。残るひとつは「ムーンライト・シャドウ」である。 初期の作品だということからわかるとおり、文章には拙さが見られる箇所もあ…

ロバート・シルヴァーバーグ『夜の翼』

ロバート・シルヴァーバーグ(佐藤高子訳)『夜の翼』(早川書房、1977年)。 ヒューゴー賞、アポロ賞受賞。 作りこまれた世界観。始まりと終わりが、とてもうつくしい物語だった。 【あらすじ・流れ】 この作品は、第1部、第2部、第3部に分かれる。 第1部:…

江國香織『泳ぐのに、安全でも、適切でもありません』

江國香織『泳ぐのに、安全でも、適切でもありません』(集英社、2005年)。 山本周五郎賞受賞作。 さらさらと、こころにしみこんでくる短編集である。私の一人称で、切り取られた世界の断片。 「うんとお腹をすかせてきてね」「ジェーン」「犬小屋」が好みだ…

宮下奈都『羊と鋼の森』

宮下奈都『羊と鋼の森』(文芸春秋、2015年)。 2016年本屋大賞受賞。 大学4年、オーケストラをやっている友人に誘われて、はじめて生のクラシックに触れた。 プログラムが本棚にある。合計三冊。 あと1週間と少しで、もう一冊加わる。大学生最後は、クラ…

三秋縋「明日世界が終わるなら」

三秋縋さんのツイッターをたまに見る。 そのなかで記憶にあるのが、 「明日世界が終わるなら何をする?」と聞かれたときに、 「会いたい人に会いに行く」と答えるのではなくて、 「会いたい人の会いたい人は私じゃないかもしれないから、結局何もせずに過ご…

三浦しをんさんの短編プチ指南

三浦しをんという名前を聞いたことのあるひとは、多いと思う。小説家である。 名前に聞き覚えがなくても、『舟を編む』という本の題名は聞いたことがあるだろう。この小説は、本屋大賞を受賞しており、映画化もされた。さいきんノイタミナでアニメ版も放送さ…

北方謙三『水滸伝』

先輩からのおすすめ本。 北方さんの『試みの地平線』を読んでから、「北方兄さん」と呼ぶことにしている。『試みの地平線』は、人生相談を集めたものである。悩める男どもの横っ面を、北方兄さんが本音で張っていくさまには、はっとさせられる。 10代~20代…