白くま生態観察記

上洛した白いくまもん。生態日記。冬眠するので春になったら起こして

想像力

母校の飲酒関連事案が絶えない。

 

こういうことが隠蔽されずに、表に出ていることは評価できる。

けれど中身は悲しすぎる。

 

「一人の死は悲劇だが、数百万人の死は統計上の数字に過ぎない」

スターリンが言ったとの証拠はないらしい。いちど聞いたら忘れないほど、言い得て妙の言葉である。

ティモシー・スナイダー先生は、「数百万人の死を塊として捉えるのではなく、一人一人の死として受けとめることこそが、我々のすべきことです」とおっしゃっていた。1月に行われた講演の話だ。事実、講演は死んだ人のストーリーから始まった。

 

ほんの少し前まで、たった一人の死でさえも、ぼくにとっては関係のない「事実」に過ぎなかった。悲劇以前の問題として、感情が入らない。

祖父が死んでも何も感じなかった。おじが死んでも何も感じなかった。ふだんからの付き合いがなかった。

想像力がないのかもしれない。紛争地域で人が死んでも、何も思わない。

 

しかしぼくは、身近な友人を送る立場を経験してしまった。

もはや他人事ではない。そのときの心の動きが手にとるようにわかる。同じようなことがあると、想像できるようになってしまった。

 

それでも、すこしでも違うような事例になると、やはり想像力は働かないだろう。

こんなふうにして、すこしずつ想像の及ぶ範囲を広げていくことが経験なのだろうなと思った。