なんとなく
読み返すと、むかしとは読みかたの変わる本がある。
当然だろう。
なにかを経験するたびに、自分の感情や周りの状況の記憶が蓄積されていく。自分が変わるのだから、味わいも変わってくる。
むかしは楽しめたものが、楽しめなくなる。
いまいち没頭できなかった物語が、心に訴えてくる。
その人にとって、読むべきときというものがある。
逆に考えて、あるタイプの本が心を動かすときには、そういうものを求める心的状態であるということがいえる。
リスト「愛の夢」を聴きながら、本だけにかぎらないじゃない、と思った。外界の情報のうち、心に適したものを無意識に選んでいる。
違う趣向だけれど、メンデルスゾーン「イタリア」も心地よい。