白くま生態観察記

上洛した白いくまもん。生態日記。

仁和寺、ミニチュアお遍路。あと『蟲師』

仁和寺http://www.ninnaji.or.jp/index.htmlと御室八十八ヶ所

 

真言宗御室派の総本山である。友人がいうに「お遍路のミニチュア版があるよ」とのことだった。すぐ行くことに決めた。いろんな人が情報をくれる。ありがたい。

 

仁和寺

いま拝観できるのは、御殿だけである。この御殿では、めずらしいことに内部の写真が許されている。襖絵もふくめてだ。

 

御殿に入ると生け花が目に入る。そこを抜けると、南庭が一気に広がる。白川砂を一面に敷きつめて、簡素な波紋の枯山水庭園。どこか既視感がある。聖護院などと同じだ。昼は太陽の光が反射してまぶしい。きっと夜は月の光が反射して、いい塩梅の明かりになるのだろう。南庭に面して白書院がある。

白書院の襖絵は、豪華である。たとえば鳥の羽を白で塗っている。松の幹もさまざまな色で塗られ、金粉が立体感と華麗な美を添えている。大きく「壮観」と揮毫されているように、壮観な眺めであった。

 

宸殿の北庭は、池泉鑑賞式庭園である。滝口から流れ落ちる水の音が涼やかで、暑さも和らぐ。松が何種類か植わっており、葉が立体感を醸し出すように段々と整えられている。奥の五重塔を借景としており趣がある。ただ残念なのは、手前左に水道管をしまうプラスチック製の覆いが3つもあることだ。せっかくの庭に、キズをつけている。

 

仁和寺の御殿でもっとも好きなのは、黒書院とその前庭だった。まず襖絵がいい。白書院は壮観な眺めだったが、黒書院のものは簡素な美である。もうすぐ枯れてしまうような秋の草を、細長く襖に描く。そしてその他にはなにも描かない。襖の色を存分に生かして、画面の大半を占める描かない空間に情緒を感じさせる。こういうのは好きだ。

その前庭もよい。苔と石ともみじを中心にした、苔庭である。石に苔が覆いかぶさり、時の流れを感じさせる。ただ、なぜなのか、ここも庭の手入れがされていない。地面を覆う苔のあいだをよく見ると、雑草が顔をのぞかせ、落ち葉や枯れた茎は掃除されていない。庭の手入れがされていれば、文句のない庭だった。

 

 

お遍路のミニチュア版、御室八十八ヶ所は、御殿をでて金堂まで登り、そこから西に5分ほど歩いたところにある。http://www.ninnaji.or.jp/hallowed_ground.html

コースタイムは2時間。成就山の山頂を通るルートの最中に、お遍路のお堂が並んでいる。簡易お遍路だ。3月から、行かなければと思っていた。こんなに近くにあったなんて。

それぞれのお堂には、お堂の本尊に対応した真言マントラ)が記されており、鈴もあった。ぼくは真言宗徒でもあるので、唱えないわけにはいかなかった。三唱して一回鈴を鳴らす。これを八十八ヶ所すべておこなった。結願のお堂には、般若心経が書かれた布がかかっていたので、これも読んだ。すこし気分が晴れた。やらなくてはいけないことだった。

ぜんぶ回るのにかかった時間は1時間強だった。思ったより短い。

途中には沼があった。『蟲師』で描かれる沼(「鏡が淵」や「旅をする沼」)を思い浮かべてほしい。あんな感じで、山のなかにある沼がみられる。美しい。