白くま生態観察記

上洛した白いくまもん。生態日記。

合気と居合の足さばき

夏休みなので居合をしている。合気と居合とで足さばきに大きな違いがあるなぁと理解してきた。

 

富木流合気道の足さばきは、基本的に半身を作るためにある。前足を相手に正対させながら、後足を45度ほど開く。重心を体の真ん中にもってきて相手に正対するために、膝を入れて動く。基本的に後の先(相手の動きの起こりを捉えてから、動き出す)をとるので、半身が合理的になる。

 

 

いま無双直伝英信流居合道を稽古している。英信流では、基本的に相手に正対する。前足と後足は進行方向に並行である。足が並行になると、腰が相手に正対する。腰が相手に正対すると、正中線上を通る刃筋に狂いがなくなる。

 

ぼくの人体構造の理解だと、なにも考えずに一歩前に足を踏み出したとき、くるぶしがついているかかと部分が引きずられて、半身に近い体勢になってしまう(もしくはかかとがもちあがる)。それは重心が両足の中心にあるからである。たとえば前に歩くとき、多くの人の靴底は外側からすり減っていく。つまり、かかとから接地する瞬間に、外側から内側への重心移動が起きている。身体の重みを支えながら前進するときに、上体をできるだけ一定に保つには、すこしでも重心を内側に寄せたほうが経済的だからである。走るときには一目瞭然である。走っている人を正面から見ると、両足の接地点は肩幅よりも内側の一直線上を志向する。体重移動がしやすいのである。

 

3か月間、少しくらいしかたないじゃないか、と思っていた。

しかし鏡の前で足の傾きを微妙に変えながら腰の動きを確認すると、両足を並行にしないと腰が正対しないのである。すこしでも正対していないと、腰が正面から外れ、真っ向切り下ろしにブレが生じる。刀を振ると、たしかに音が違うのである。並行にしないと鋭く切り下ろせない。つまり眼前の敵を斬ることができない。不十分な斬りこみになり、逆に斬られる。殺されてしまう。

 

このことは、合気をやっていたときに、正中線から外れていたのではないかという問いを提起する。いまのところ、「合気では膝を入れて上体を操作するのに対し、居合は膝を入れない。正中線の操作の仕方が異なる」という理解になっている。居合で膝を入れないのは(腰は入れる)、刀という重いものを振るときに膝のやわらかさで斬撃の威力を相殺させないためである。

 

合気道は相手を制する業であって、居合道は敵を殺す業である。

 

考えていくうちにまた違ってくるかもしれない。