白くま生態観察記

上洛した白いくまもん。観察日記。勝手にコルクラボ

大文字山、送り火の炭

8月16日に五山送り火が催される。
2017年の夜8時は晴れていて、風もあって涼しい。出町柳と鴨川デルタは人で埋め尽くされている。警察官が交通整理をして一部通行止めを行う。
地元の人はよく見えるポイントを知っているので、人の少ない場所で静かに手を合わせる。イベントではあるものの、もとはと言えば盆の送り火である。ぼくも手を合わせた。

すると親に連れられた男の子が高い声で不満をいう。
「おもろない! ただ火がついてるだけやねん。おもろない」
そのとおり。でもね、いつか君も子どもを連れて手を合わせるんだよ。とはいわずに、ニヤッと笑った。繰り返される光景があった。歴史だ。


地元の人は送り火の消し炭を取りに行って、半紙にくるんで玄関につるすらしい。そうすると何か良いことがある。「みんな行くから、日の出とともに行ったほうがいい」と教えてくれた人が言っていた。日の出は5時18分。とは言いつつ、さすがにそんな朝早く行かないだろと思っていた。大文字は火床も多いし、大きいのも残っているはず、と。6時ころ火床につけばいいと判断した。
間違いだった。5時48分に銀閣寺ルートから登り始めると、前には登る列ができている。さらに次々に下山してくる人とすれ違う。ビニール袋いっぱいに炭が入っている。あっちゃー。遅かった。
6時過ぎに火床についたけれど、端の火床にも大きな炭は残っていない。せいぜい3-5センチの塊が限度。もっと早く着いた人は、りっぱな棒状の炭を手に入れられるのだけれど。

せっかくなので山頂まで登った。そこで会った人によると、日の出前から火床に入っている人がいるらしい。ライトをつけているので、山裾から光がゆらゆらしているのが見えるそう。大文字山は16日午後2時から送り火準備のため閉山される。この閉山は16日だけなので(立て看板)、ギリギリを狙うなら12時を回った瞬間から入山できるのかもしれない。
そりゃ間に合わないわ、と思った。そこまでやるつもりはない。
火床からも山頂からも、京都市が一望できる。山に隠れてまだ太陽が照っていないところもある。きれいだった。走って登ったので汗だくだったけど。それでも風が通り抜けていくから気持ちいい。

「京都の人は、コンチキチン(祇園祭)を聞いて夏がきたと感じて、大文字を見て夏が終わったと感じる。そのあとは残暑」
盛ってるとは思いながら、長すぎる残暑がまってる。