カオスとコスモス
イ・ヨンド『ドラゴン・ラージャ』を小学生のときに読んでいた。ファンタジー作品で、民族ごとの世界観・宗教観にしびれていた。
いまでも憶えている話をひとつ。
手のひらいっぱいのおはじきを地面に投げ落としたとする。おはじきはバラバラに散らばって、グチャグチャしている。人間は「カオスだ」と言った。
エルフは困った顔で、「この三点を結んでみたら、どう見えますか」と問いかけた。
三つのおはじきを選びだせば、カオスのなかに三角形が生まれる。四つなら、四角形が生まれる。そもそも、手のひらいっぱいのおはじきである。三点を選びだしたら、直角三角形や二等辺三角形を見出すのも難しくないだろう。
簡単にコスモス(秩序)を見出せる。
カオスのなかにコスモスがあるし、コスモスのなかにカオスがある。自分の視点をどこに起きますか、という問題だ。
カオスにコスモスを見出せる人は少ない。言われたら気づけるんだけどね。気づいた瞬間に、世界が変わって見えてくる。