関西のおにぎり

関西に来てはじめておにぎりを買う。

棚を見ながら、関東に比べてほんの少しおにぎりの値段が高いと思った。なぜだろう、気のせいかなと思いながらツナマヨと昆布を選んだ。

コンビニおにぎりの海苔を合体させて、かぶりつく一瞬はクセになる。ビニールのつっぱりをツーっと引っ張って、片側ずつビニールを外すと、海苔が白米にくっつく。海苔をパリパリに保つ大発明である。

食べて驚く。海苔が味つけ海苔だった。普通の海苔よりも塩っ気があって、白米にあう。うまい。なんだこれはと衝撃を受けて、吸い込むように食べた。コンビニに来ないあいだに、おにぎりは大革新を遂げていたのだ。絶対に味つけ海苔のほうがうまい。世間の変わるスピードに感心していた。しかもお手拭きまで付いている。味つけ海苔でべとついた手を拭くためだろう。気配りまで含めてすばらしい。

「おにぎりは、味つけ海苔になったんだね。めっちゃおいしくなってる。すごい」

この感動を同期に伝えたら、「もとからだよ」と返された。「関西は味つけ海苔なんだよね。関東は味なしなんでしょ」

地域の違いだったのか。

でもおいしいから、関東も味つけ海苔になってほしいなぁ。