白くま生態観察記

上洛した白いくまもん。観察日記。勝手にコルクラボ

さらけだし漫画――We are lonely, but not alone.

大学3年のとき、ひとりの女性に「思ってること、ぜんぶ言っていいんだよ」と言われた。すでに限界だったぼくは、ドロッドロの感情をぶちまけてしまった。そのひとは、しばらく沈黙して「やってきたものが大事だったから、ぜんぜんできなくてつらいんだよ」と言って、大丈夫だよと笑ってくれた。

大学4年の3月になっても同じだった。そのひとに「白くま、大丈夫?」と訊かれて、またしても限界だったぼくは、ぜんぶぶちまけてしまった。「ごめん、いつもぼくばっかり」と謝ったら、いいんだよと言われた。

違うひとに「ひとりで生きていく」と言ったら、「ほんとは違うでしょ。いま傷ついてるから、そう思ってるんだよ。パートナーが欲しいんでしょ」と言われた。言いかえせなくて「そうだよ」とだけ返した。

ふたりの男性に「外で飯食べるぞ」と言われて、ディープな中野を連れまわされた。なんで誘ってくれたんですかと帰りぎわに訊いたら、「あの話を聞いたから。なにもできないけど、一緒に飯を食うことはできる」とだけ言われた。

京都にくる直前、ふたりの女性に「白くまは考えすぎなんだよ」と言われた。「だって、○○なんだから、しょうがないじゃん」と反発けれど、理由になっていないのは、ぼくが一番わかっていた。

 

ぼくはひどく弱くて、醜くて、ちっぽけだった。認めたくなかったから、そうなっているんだと気づかないくらいアホウだった。

周りのひとたちは、幼いぼくを助けてくれて、救ってくれて、見守ってくれて、励ましてくれた。出会って数年間にも満たないし、義務でも何でもないのに、ここまでしてくれる。

なのにぼくは、自分の檻にとらわれていて、何も返せなかった。ただただ甘えるだけだった。なんて馬鹿だったのか、最低の人間じゃないか、と気づいた。

気持ち悪い気づきが、じわじわと身体に広がっていく。

「自分はクソな人間じゃんか」と心にしみた瞬間に、腹の底から怒りを感じた。

 

自分の足で立て! 自律しろ! 救われるばかりじゃなくて、救える人間になれ! 

やりたいことがあるんだろ? やれよ!

 

 

こっしーさんとやじまさんのさらけだし漫画は、とくに面白い。

人生の岐路と、大事なひとの言葉がある。

 

こっしー「「漫画家」になる決断とハードル・・・そしておくさんの一言。」

https://ryokoshino.hatenablog.com/entry/2018/06/05/151148

やじま「自分、天才だと思ってました。」全7回

https://corkbooks.com/articles/?id=381&order=1

 

さらけだし漫画を読んで、人生の岐路には大事なひとの言葉があるんだな、と再認識した。

接しているひとの言葉で世界はガラッとかわる。覚悟が決まる。

やることは見えてるのに、モヤモヤした不安に阻まれて何もできないとき、目の前のひとの言葉で吹っ切れる。

人生のすばらしい瞬間だ。

We are lonely but not alone.――我々は孤独だが、一人ではない

 

あのとき、ああ言ってくれて、ほんとうにありがとう。