好きな人に告白する言葉を教えて
「好きな人に告白する言葉を教えて」という質問に対して、永六輔さんが答える。
とっても素晴らしくて、永六輔さんを好きになってしまう。
永六輔さん、まだ恋愛がよくわからなかった高校の時にこの回答をネットで見かけて衝撃を受けたのを覚えてる。 #永六輔 pic.twitter.com/sVkJ2doLkn
— Miharu KONO (@unoharumi) July 11, 2016
この回答が素晴らしい理由は、おおきくふたつある。
ひとつには、相手の視点を導入してあげていること。好きという感情をどう伝えるかではなくて、相手がドキンとする瞬間を教えてあげている。とかく自分中心になってしまいがちな恋愛ごとで、「相手の視点にたってみようね」とやさしく語りかけている。相手の視点にたつと、「あなたが好きです」というのは最悪な言葉になる。だってそれは、自分の想いを直接伝えているだけなのだから。そういう押しつけはあんまり効果がない。どこまで言っても自分の言葉なのだ。
ふたつめは、言葉そのものよりも、言葉のもととなる感情を共有することが重要なんだよと言っていること。自分ひとりの言葉よりも、ふたりっきりで、同じものに感動する。そういう時間を過ごしているうち、心にわきあがる言葉が重なってくる瞬間がある。それをふたりで体験するのが重要なんだよ、と言っている。言葉でどうこうするよりも、心を一緒にしたほうが「あ、いい人だな」と思われるんだよ。あのね、心を一緒にすることがほんとうに重要なんだよ、難しいけど。
永六輔さんは小学6年生にわかるとは思っていないだろう。いつかわかってくれればいいなぁと思っているはずだ。なのに、これだけきれいな言葉で、これだけわかりやすく、これだけ本気で答えている。好きだなぁと思う。
※
ずっと、恋人たちが映画館に行くのを疑問に思っていた。
ぼくにとって映画は、自分ひとりで見るものだからだ。隣に人がいたら映画を楽しめないし、見終わったあとの余韻も楽しめない。気になる相手だったら、なおさら緊張して映画に集中できない。映画を見に行っているのに、映画を見られないじゃないか。
けれど違った。
恋人たちは、映画を楽しむんじゃなくて、同じ空間で同じものを体験することを目的にしていた。ふたりで過ごす時間そのものが、とても愛おしい。恋人たちは、ふたりの時間を共有していくことが何よりも重要だとわかっていたのだ。