白くま生態観察記

上洛した白いくまもん。観察日記。勝手にコルクラボ

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

居合

居合をはじめた。 きっかけは、ちょうど一週間前、岩清水八幡宮で居合道の奉納演武をみたことである。 巻いた畳や竹を切っていた人たちは、それこそ真剣だった。斬れる人は斬れていたし、失敗する人はかなり失敗していた。見ているうちに「切れそうだな」と…

福永武彦『忘却の河』

福永武彦『忘却の河』(新潮文庫、1969年)。 福永作品は、『愛の試み』『草の花』につづいて3作めである。 『愛の試み』では、「孤独と愛」について福永さんの認識を理解した。「充足した孤独は愛を試みる」という言葉に、胸を打たれた。 『草の花』では、…

なんとなく

読み返すと、むかしとは読みかたの変わる本がある。 当然だろう。 なにかを経験するたびに、自分の感情や周りの状況の記憶が蓄積されていく。自分が変わるのだから、味わいも変わってくる。 むかしは楽しめたものが、楽しめなくなる。 いまいち没頭できなか…

海がきこえる

『海がきこえる』 氷室冴子さんの原作小説を、ジブリが映画化した。はじめて観る。 【感想】 ジブリもこういうの撮るのか。ストーリー重視で、なんらかの目に見える困難が立ちふさがるものばかりだと思っていた。 『海がきこえる』はストーリー性を目指さず…

おかざき真里・羽海野チカもろもろ

おかざき真里『冬虫夏草』(ラポート、1994年)。 ――『シャッターラブ』(集英社、1998年)。 ――『彼女が死んじゃった』(集英社、2000年)。原作は一色信幸。 ――『渋谷区山町』(集英社、2004年) 羽海野チカ『ハチミツとクローバー』(白泉社、2002年) こ…

京都国際マンガミュージアム

京都国際マンガミュージアムhttps://www.kyotomm.jp/に行った。 【評価】 観光目的で行く場所ではない。 安い漫画喫茶を求めて行くところ。そのついでとして、いろいろな展示が楽しめる。 【探訪記】 烏丸御池からほど近くに、京都国際マンガミュージアムが…

京都大学

京都に来て10日くらいたった。 京都大学の環境はとてもいい。 大学図書館の蔵書数は日本で第2位である。ジャーナルも十分契約している。視聴覚設備もいいものがそろっている。 平日に限られているものの、24時間使うことのできる自習室が整えられている。 生…

想像力

母校の飲酒関連事案が絶えない。 こういうことが隠蔽されずに、表に出ていることは評価できる。 けれど中身は悲しすぎる。 「一人の死は悲劇だが、数百万人の死は統計上の数字に過ぎない」 スターリンが言ったとの証拠はないらしい。いちど聞いたら忘れない…

おかざき真里『&』

おかざき真里『&』(祥伝社、2010年‐) おかざき真里さんは、好きな女性漫画家のひとりだ。 昨年、あるひとのお薦めで『サプリ』を読んだ。それ以降、機会あるたびに買うようにしている。 こころを浮き彫りにするのが、とてもうまい作家さんである。 『&』…

碧海純一『法と社会』

碧海純一『法と社会』(中公新書、1967年)。 ローにいる友人のお薦めで読んだ。「法律関係を学びなおしたいんだけど、何から読むべき?」と訊いたさいの答えのひとつ。 【ざっくりと要約】 法は人間が造り上げた文化の一部として、言葉という抽象化能力と切…

こうの史代『夕凪の街 桜の国』

こうの史代『夕凪の街 桜の国』(双葉社、2004年)。 ふと、この漫画を思いだした。昨年のアニメ映画『この世界の片隅に』の原作者が、昔に描いた漫画だ。 ほんわかしたタッチから生まれる、原爆後の人々の日常。 原爆後を生きるひとは、どう生きていたのか…

福永武彦『草の花』

福永武彦「草の花」『福永武彦全集 第二巻』(新潮社、1987年)。 とりとめもない思考の渦を書き連ねているだけのブログに、コメントが付いた。「福永さんの『草の花』は京大生みんな読むべし」とのことだった。こういうお薦めは、ありがたい。 お薦めされた…

坂口安吾『堕落論』と、なにか。

無意味なことをして生きたい、という気もちが抑えきれなくなってきた。 講義に出るよりも、図書館に閉じこもって本を読んでいたい。就職のため勉強するよりも、京都の街中で思索にふけっていたい。誰かと会うよりも、下宿に閉じこもって自分と対話し続けたい…

京響「スプリング・コンサート」

京都コンサートホールに行ってきた。 京都交響楽団のスプリング・コンサートを聴いた。 このコンサートは京響の各パートの紹介を兼ねており、同時に年度のはじまりにクラシックに親しんでもらうことを目的としている。そのため、親しみやすいプログラムとな…