白くま生態観察記

上洛した白いくまもん。観察日記。勝手にコルクラボ

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

世界とのつき合いかた

NHK『U-29』をたまに見る。若者が自らの人生を切り拓こうと苦闘するさまは、応援したくなる。将来に向かって盛り上がっていくエネルギーに満ちあふれている。 今回は日本酒専門の編集者の話。 サシ飲みが苦手という彼が、その理由を語る場面。 相手と一対一…

吉田秋生『吉祥天女』

吉田秋生『吉祥天女』全2巻(小学館文庫、1995年)。 「時に なんて敏感に 気配を感じ取る 人間がいることか」 むかし、友人の家で映画を見た。ホラー好きの人だった。何を見ようかとツタヤで相談する。「おすすめのホラーで」と言ったら、その人は「これは…

伊坂幸太郎『砂漠』

伊坂幸太郎『砂漠』(新潮文庫、2010年) 「大学生活を変えた本。おすすめ」とのことだった。「伊坂さんのなかでは異色なんだけど」 本の感想を書くとき、巻末の解説を先に見る。誰かが書いているのと同じことを書いてもしょうがないからだ。ネットは見ない…

京大の学園祭

――いったい子供は、「絵」を描いているのだろうか。「絵」ではないのだ。自分の若々しい命をそこにぶちまけている(岡本太郎『自分の中に毒を持て』、123頁) 京大は学園祭の時期である。 11月23日から26日までの4日間。 直接の会場ではないはずの院棟周辺に…

久保ミツロウ『モテキ』と古谷実『シガテラ』

久保ミツロウ『モテキ』全4.5巻(講談社) 古谷実『シガテラ』全6巻(講談社) 思春期において、自意識とのつき合いかたは、かなり重要な位置を占める。 自意識がないのは人間的にどうかと思うし、逆に自意識に振り回されても、人生は先に進まない。思春期を…

信頼のエチュード

鴻上さんの『表現力のレッスン』を読んでいる。 この本は「信頼のエチュード」という演劇のレッスンで始まる。 ふたりで行う。前後に立って、前のひとは目をつぶって後ろに倒れる。後ろのひとは、倒れてくる前のひとを支える。 前のひとの信頼が試されるレッ…

三浦しをん『風が強く吹いている』

三浦しをん『風が強く吹いている』(新潮文庫、2006年)。 夜中の11時に読みだした。そのまま、深夜3時半まで読んでいた。 普段なら「明日もあるし、ここでやめて寝よう」と手をとめる。しかし本書には、先を読みたいと思わされた。心のままにページをめくっ…

芥川龍之介の恋文

芥川龍之介の恋文、やばい。 なんだこれは。 http://weemo.jp/v/f67f657a こんな恋文をもらったら、好きになってしまう。 たとえ嫌いな相手からもらったとしても、この恋文にはグラッときてしまう。 こころがうつくしい。 罪だよ、芥川さん。 もうひとつ見つ…

フランク・ウイン『フェルメールになれなかった男』

フランク・ウイン(小林頼子・池田みゆき訳)『フェルメールになれなかった男――20世紀最大の贋作事件』(ちくま文庫、2014年) 友人からのおすすめ。「芸術家に対して我々が抱く諸々のイメージそのままの繊細かつ傲慢な画家が、自分を置き去りに先に先にと進…

ふんどし

とつぜんだが、ふんどしを締めたことはあるだろうか。 真っ白な長めの手ぬぐいを股の間に通して、腰のあたりでクルクルっと巻いて、ギュギュっと締めつけるだけ。あーら簡単、3分くらいで締められる。 中学時代の夏休み、学校の課外活動のことである。 毎年…

司馬遼太郎『竜馬がゆく』

司馬遼太郎『竜馬がゆく』(文春文庫、1974-1975) むかし、ある人がツイッターで呟いていた。 思いだして、秋の古本市(百万遍)で買った。全8冊。しめて600円なり。 いやーおもしろかった。 坂本竜馬を中心に、幕末史を追っていく。まず、坂本竜馬の造形が面白…

青木琴美『虹、甘えてよ。』

青木琴美『虹、甘えてよ。』第1巻(小学館、2017年) 少女漫画である。しかし少女漫画ではない。 「その後」を正面から描く物語。 漫画を読む人なら、青木琴美という名前は聞いたことがあるはずだ。たとえなくても、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』や『僕の…

人間の強さ

『マツコの知らない世界』を見ていた。いろんな分野のオタクが出てきて、好きな分野を紹介していく番組。触れたこともない世界が目の前に広がるから、楽しい。 さて、ホットケーキミックスの回である。 この番組では、ゲストが「なぜ対象にのめりこむように…