白くま生態観察記

上洛した白いくまもん。観察日記。勝手にコルクラボ

漫画

さらけだし漫画――We are lonely, but not alone.

大学3年のとき、ひとりの女性に「思ってること、ぜんぶ言っていいんだよ」と言われた。すでに限界だったぼくは、ドロッドロの感情をぶちまけてしまった。そのひとは、しばらく沈黙して「やってきたものが大事だったから、ぜんぜんできなくてつらいんだよ」と…

おかざき真里『かしまし飯』

「どんなひとが好きなの」と訊かれると、いつも回答に迷う。 迷って迷って開き直って「好きなひとが好きなんだよ。好きってそういうもんでしょ」と言いたくなるけれど、でも目の前のひとから求められているのは、そういう回答じゃない。 話のタネになる、拡…

『インベスターZ』

三田さんの『インベスターZ』が期間限定で無料になっている。Kindleで1-10巻まで無料だ。https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00F4PDB3E?ref_=dbs_pwh_calw_0&storeType=ebooks 第8-9巻で堀江貴文さんが出てくる。 堀江さんがベンチャー投資をするときの…

メジャー・セカンド

2018年春はアニメが豊作で、有名どころがたくさんある。 キャプテン翼、ルパン三世、ゴールデンカムイ、ゲゲゲの鬼太郎、シュタインズゲート、東京グール、ピアノの森、メジャー・セカンド……。ほんとにたくさん。 メジャー・セカンドについて。 メジャー(フ…

ハチクロ名言集

すっごくすっごく唐突ですが、羽海野チカ『ハチミツとクローバー』の名言集載せます。ワードファイル漁ってたら、胸にジーンと来てしまった。 みんな読もうよ、キュンキュンしようよ。 キュンキュンというより、想いが相手に受け入れてもらえないどうにもな…

漢詩と『君嘘』

漢詩を語ることで、『君嘘』に迫る。 李白の「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」。漢文の教科書で読んだ。 七言絶句である。縦書きのものを、横書きにした。 故人西辞黄鶴楼 煙花三月下揚州 孤帆遠影碧空尽 惟見長江天際流 高校生のとき、この詩を読んで…

2017年各部門ベスト3

今年読んだ物語とか。ベスト3と言いつつも、ひとつしかなかったりするのはご愛敬です。 全部門トップ おかざき真里『阿・吽』(小学館) 絵に吸い込まれて、呼吸がとまるという稀有な体験ができます。はーと息を吐ききったとき、口から出るのは「すんげぇ」…

アニメ『ボールルームへようこそ』

『ボールルームへようこそ』23話 アニメ版が原作を超えて、ついにちーちゃんと多々良くんペアの結末を描いた。 多々良くんは臆病で、自尊感情のないタイプだった。だから、相手の女性にあわせてリード(ダンスにおける男性の役割。女性を導くこと)をしてい…

挫折

毎週、NHK『ドキュメント72時間』を見ている。 どうしても頭から離れない女性がいる。 禅寺体験の回。参加していた女子大生だ。 警察官になることが彼女の夢だった。そのために大学に行って、自動車免許もとって、たぶん身体も鍛えていた。 しかし、車を運転…

高橋留美子『めぞん一刻』

高橋留美子『めぞん一刻』文庫版、全10巻(小学館) 愛するひとを突然失った人間は、ふたたび誰かを愛せるようになるのか。 映画『普通の人々』では、母親は溺愛していた息子の死を経験して、愛を表現することも受け入れることもできなくなった。自分の感情…

石塚真一『Blue Giant(ブルー・ジャイアント)』

石塚真一『Blue Giant(ブルージャイアント)』全10巻(小学館) この漫画をひとことであらわせと言われたら、何と言うか決めてある。 安全圏にいることをゆるさない漫画だ。 ぼくらは物語を読者として読む。物語世界と現実世界は断絶したものだ、という前提…

吉田秋生『吉祥天女』

吉田秋生『吉祥天女』全2巻(小学館文庫、1995年)。 「時に なんて敏感に 気配を感じ取る 人間がいることか」 むかし、友人の家で映画を見た。ホラー好きの人だった。何を見ようかとツタヤで相談する。「おすすめのホラーで」と言ったら、その人は「これは…

久保ミツロウ『モテキ』と古谷実『シガテラ』

久保ミツロウ『モテキ』全4.5巻(講談社) 古谷実『シガテラ』全6巻(講談社) 思春期において、自意識とのつき合いかたは、かなり重要な位置を占める。 自意識がないのは人間的にどうかと思うし、逆に自意識に振り回されても、人生は先に進まない。思春期を…

青木琴美『虹、甘えてよ。』

青木琴美『虹、甘えてよ。』第1巻(小学館、2017年) 少女漫画である。しかし少女漫画ではない。 「その後」を正面から描く物語。 漫画を読む人なら、青木琴美という名前は聞いたことがあるはずだ。たとえなくても、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』や『僕の…

竹内友『ボールルームへようこそ』

竹内友『ボールルームへようこそ』(講談社) どうやって魅力を説明すればいいのか、ずっと考えていた。もちろん少年漫画的な面白さは満点である。絵の艶もあって、かなりおもしろい。 しかしそれだけでは、第5-9巻の魅力を説明できない。物語が一見進展し…

ダンス姿勢保持と古武道

竹内友『ボールルームへようこそ』(講談社)が私的ブームである。 他人に嫌われないよう目立たず生きてきた主人公が、「ダンスという場では自分を出してもいいんだ嫌われないんだ」と気づき(第4巻まで)、パートナーと正面からぶつかり合うなかで、自分な…

西UKO『となりのロボット』

西UKO『となりのロボット』(秋田書店、2014年)。 ひさしぶりに読んだ。連作短編のマンガで、全一巻。おすすめ。 【構成】 主人公は、人間の女の子と女子高生型ロボットのふたり。このふたりのあいだの恋愛を描いた物語である。 人間の女の子は、時間が…

三木清『人生論ノート』と井上雄彦『リアル』

おもしろい問いを投げかけられた。問うてくれた人に感謝したい。 「愛とは創造であり、創造とは対象に於て自己を見出すことである」(三木清『人生論ノート』)とは、どういうことか。 まず私がこの本を理解できていなかったことを告白しなければいけない。2…

『四月は君の嘘』2

『君嘘』をおすすめしたのはいいけれど、ストーリー展開を記述しただけで(それも前半だけ)、「この物語で何が描かれているか」について触れていなかった。 11巻に直接的に言葉にされている。主人公はコンクールの決勝の舞台で、ショパン「バラード第一版」…

新川直司『四月は君の嘘』

とても好きな漫画がある。アニメにもなった。どちらもすばらしい。 新川直司『四月は君の嘘』(講談社、2011-2015年。全11巻完結済み)である。 繰り返し繰り返し、みんなにお薦めしているのだけれど、だれも読んだり見たりしてくれた形跡がない。何回でも言…

孤独について。『化物語』と『エヴァ』

孤独と愛についてある人と少し話した。そのなかで、明示的ではなかったけれど、重大な論点が隠されていたように思った。 瞬発力とコミュニケーション力が皆無なので、ぼくは話している最中に違和感に形を与えることができない。残った違和感は解消されずに、…

おかざき真里・羽海野チカもろもろ

おかざき真里『冬虫夏草』(ラポート、1994年)。 ――『シャッターラブ』(集英社、1998年)。 ――『彼女が死んじゃった』(集英社、2000年)。原作は一色信幸。 ――『渋谷区山町』(集英社、2004年) 羽海野チカ『ハチミツとクローバー』(白泉社、2002年) こ…

京都国際マンガミュージアム

京都国際マンガミュージアムhttps://www.kyotomm.jp/に行った。 【評価】 観光目的で行く場所ではない。 安い漫画喫茶を求めて行くところ。そのついでとして、いろいろな展示が楽しめる。 【探訪記】 烏丸御池からほど近くに、京都国際マンガミュージアムが…

おかざき真里『&』

おかざき真里『&』(祥伝社、2010年‐) おかざき真里さんは、好きな女性漫画家のひとりだ。 昨年、あるひとのお薦めで『サプリ』を読んだ。それ以降、機会あるたびに買うようにしている。 こころを浮き彫りにするのが、とてもうまい作家さんである。 『&』…

こうの史代『夕凪の街 桜の国』

こうの史代『夕凪の街 桜の国』(双葉社、2004年)。 ふと、この漫画を思いだした。昨年のアニメ映画『この世界の片隅に』の原作者が、昔に描いた漫画だ。 ほんわかしたタッチから生まれる、原爆後の人々の日常。 原爆後を生きるひとは、どう生きていたのか…