白くま生態観察記

上洛した白いくまもん。生態日記。冬眠するので春になったら起こして

こころ

「違うんだ。君の心が閉じているんだ。もっと目の前の人間を見てよ」 心がどれだけ大事なのか、わかっていなかった。 複数人が集まって何かを作り上げるとき、まず個人の努力が重要だと思っていた。 個人が努力して、必要なことをやるのが決定的に重要だと思…

塾講師

塾講師をしていたことがある。 地元に根ざした小規模の塾だった。 中学3年生、グループ授業の話である。 「初心者に受験学年を任せていいのかよ」と思った。なんの因果か、はじめて受け持ったのが中三だったのだ。教える技術も何もかもわからない。教科は国…

将来の話

「俺はさ、○○をしたいんだよね」 学部生と話していて自然に将来の話になる。 大学には、さまざまな地域から学生が集まる。多くの人は4年ほどで就職する。京都には就職先が少ないから、学生の目線は地元か東京にいく。たった4年で、京都から離れていってしま…

リズム感のない俳優

鴻上さんの著書に、こんなエピソードがある。 名越という、リズム感のない俳優がいた。踊りは下手だけれど、だれよりも楽しそうに踊る。演出家の鴻上は、うまくないけど幸せに踊る姿をみて、いつも幸福になる。それでいいと感じていた。 あるとき名越は、う…

道化

「○○のこと、どう思う―?」 「あいつトロいし、変に笑ってるし、なんかキモイわ―。無理」 「だよな。俺も無理だわ。話しかけてくんなっての」 となりから会話が聞こえてくる。 自分のことかと思って傷つきかける。こっそり顔をみて、知らない人であることを…

竹内友『ボールルームへようこそ』

竹内友『ボールルームへようこそ』(講談社) どうやって魅力を説明すればいいのか、ずっと考えていた。もちろん少年漫画的な面白さは満点である。道を極める厳しさを対比して、主人公の未熟さとひたむきさを強調する特徴もある。絵の艶もあって、かなりおも…

妙顯寺

京都の拝観料は高い。そこらの社寺に入ろうと思えば500円かかるし、有名なところだと700円もかかる。強気な値段設定だ。毎週のように観光しているので、硬貨が財布から消えていく。500円に見合うものがあれば文句ない。けれど、実際になかに入ってみると、ア…

ダンス姿勢保持と古武道

竹内友『ボールルームへようこそ』(講談社)が私的ブームである。 他人に嫌われないよう目立たず生きてきた主人公が、「ダンスという場では自分を出してもいいんだ嫌われないんだ」と気づき(第4巻まで)、パートナーと正面からぶつかり合うなかで、自分な…

圓光寺

圓光寺 雨が降った。よい状態の苔を見られる。圓光寺に行ってきた。 圓光寺のある一乗寺は坂になっている。急なので、自転車で登るのは難しい。自転車を押しながら目的地まで。 圓光寺http://www.enkouji.jp/grounds.html 池泉式の庭園がある。建物に座って…

高石宏輔『声をかける』

高石宏輔『声をかける』(晶文社、2017年)。 某氏がおすすめしていた。「ナンパは自傷。」との言葉にひかれて購入。 よかった。 【構成】 話すのが苦手、ノリに身を任せるのも苦手。はっきりいって、主人公は女性に声をかける人種ではない。しかし彼は、そ…

理想像

小学生のころ、大人になったらこうなりたいという理想像があった。 夢水清志郎だ。 はやみねかおる「名探偵夢水清志郎事件ノート」のシリーズに出てくる探偵だ。黒いスーツを年中着続けて、やせ形で身長は高い。針金細工みたいな。部屋にはうずたかく積まれ…

道尾秀介『光媒の花』

道尾秀介『光媒の花』(集英社、2012年)。 短編連作集。そうくるか! という驚きの連続で、心が揺さぶられる。緩急がしっかりしている印象。すごい。 友人が紹介していて、たまに読むサイトがある。「作家の読書道」だ。道尾さんは、「相手の頭の中に感情を…

外的な要求と、内的な要求

外的に要求されることと、内的に要求されることが違うことがある。たとえば腕立て伏せをするときに、筋トレの知識がない状態で両手両足を地面につけて腕を曲げて伸ばすと、筋トレの意味で「腕立て伏せ」にはならない場合が多い。正しいフォームをまねしてい…

盆踊り

近所のお祭りに参加した。居合を教えてくれる人たちも参加していて、その手伝いもかねて。その土地で暮らすからには、外から眺めるんじゃなくて、かかわっていかないとわからないものがある。たった2年だけれど、そのなかではできるかぎり。 盆踊りがあった…

大文字山、送り火の炭

8月16日に五山送り火が催される。2017年の夜8時は晴れていて、風もあって涼しい。出町柳と鴨川デルタは人で埋め尽くされている。警察官が交通整理をして一部通行止めを行う。地元の人はよく見えるポイントを知っているので、人の少ない場所で静かに…

京都のちっちゃな大仏さん

京都に大仏がある、という話を聞いて方広寺に行ってきた。 鴨川の東側、五条から七条の間に正面通という道がある。その由来は、大仏の正面にある通だから。ということで正面通を東に進むと、報国神社に行きつく。 おかしい。大仏がいないじゃないか、と思い…

さいきん読んだ本とか。 村山由佳『星々の舟』(文春文庫、2006年) 短編連作集。すんごい。 直線的な幸福ではなく、ねじれきったすえの、一抹の幸せを描く 「自分だけの足で独りで立つことができてこそ、人は本当の意味で他の誰かと関わることができる…

合気と居合の足さばき

夏休みなので居合をしている。合気と居合とで足さばきに大きな違いがあるなぁと理解してきた。 富木流合気道の足さばきは、基本的に半身を作るためにある。前足を相手に正対させながら、後足を45度ほど開く。重心を体の真ん中にもってきて相手に正対するた…

自己満足

目の前に車椅子に乗っている人がいる。付き添いの人はいない。 その人は坂道を前に、すこし停まっている。ぼくは、手伝わないほうがいいのか、手伝ったほうがいいのか。いつも迷う。 ひとりで車椅子を使う人は、基本的に介助がいらないからこそ、ひとりで生…

誤解していた感謝

ある選手がオリンピックの表彰台に登る。左胸についている日の丸ワッペンを握りしめながら、国家が流れるのを聞く。首から金メダルがぶら下がっている。手にもって上げたり下げたり、歯で噛んだりする。 授与式が終わると、定例のインタビューが始まる。 ――…

自分の頭で考える――京大の試験

自分の頭で考えるとは、自分勝手に考えることではない。ある視点から、あるツールに則って、考えることである。 京大での前期試験をだいたい終えた。 学部時代を過ごした慶應と、大きく異なる点があった。解答用紙の量である。京大の方が圧倒的に多い。慶應…

西UKO『となりのロボット』

西UKO『となりのロボット』(秋田書店、2014年)。 ひさしぶりに読んだ。連作短編のマンガで、全一巻。おすすめ。 【構成】 主人公は、人間の女の子と女子高生型ロボットのふたり。このふたりのあいだの恋愛を描いた物語である。 人間の女の子は、時間が…

仁和寺、ミニチュアお遍路。あと『蟲師』

仁和寺http://www.ninnaji.or.jp/index.htmlと御室八十八ヶ所 真言宗御室派の総本山である。友人がいうに「お遍路のミニチュア版があるよ」とのことだった。すぐ行くことに決めた。いろんな人が情報をくれる。ありがたい。 仁和寺 いま拝観できるのは、御殿…

三木清『人生論ノート』と井上雄彦『リアル』

おもしろい問いを投げかけられた。問うてくれた人に感謝したい。 「愛とは創造であり、創造とは対象に於て自己を見出すことである」(三木清『人生論ノート』)とは、どういうことか。 まず私がこの本を理解できていなかったことを告白しなければいけない。2…

無鄰菴

無鄰菴http://murin-an.jp/ 友人と行った。 京都市動物園から、琵琶湖疎水を挟んで反対側にある。近隣の別荘群のなかで、唯一公開しているらしい。京都市が管理しているので、75歳以上は無料だったり大学生は100円だったり茶室等が格安で借りられたりと充実…

映画『ラブ・アクチュアリー』

『ラブ・アクチュアリー』 ゼミの先生のおすすめで、1年半前に見た。そのときよりも、あきらかに登場人物の気もちが読めた。読めた結果、いろいろとクるものがあった。最後は感動した。よさみが深い。 あとヒュー・グラントさんはかっこよい。 アラン・リッ…

よい、わるい、わからない

ある作品に触れたとき、大きく分けて三種類の感想をもつ。 ひとつめは、よい。 その作品が一定水準に達しているなぁと感じたら、すなおによいと評価している。その作品のキモが、表現手段やストーリーにのってあらわされている作品はよいものだ。 よい、のな…

映画『魔女の宅急便』

『魔女の宅急便』 なかなか言及されないけれど、おすすめである。 人生がある。 【ストーリー】 親から受け継いだ「魔女の血」と「ほうき」をもって旅たちの儀式を迎えた少女が、新しい街で魔女の宅急便を始める。 しかしある日、血が機能しなくなって、ほう…

トンデモ本とぼくと。それから何か

あまり明かしたくないけれど、同じような経験をしたひとは結構いる気がするので、思いきって公開する。たいていのひとは、どこかの段階で気づいて方針転換しているはずだ。そう願いたい。人生の暗部である。 大学1年の前半、はじめて孫崎亨さんの本を読んで…

蚊と殺虫剤

ここ一週間、十分に寝られなかった。寝不足のせいで、木曜の京都めぐりはキャンセルしたし、金曜のコンサートもキャンセルした。自分の体調が優れないときに行っても、ちゃんと味わえない。 これらはぜんぶ、蚊のせいだ。 複数匹が部屋に入り込んでいたよう…